さて、前おきと言っていた住設と家電についてですが、今日お話したいのは「トイレ」についてです。

    家電じゃないじゃんと思われる方もおられるかもしれません。

    でも、じつはトイレって家電と水廻りの住宅設備の複合製品なんです。

    ざっくり分けると、陶器でできていて、基本的に掃除のときにしか触らない床や壁に接しているものが「便器」水を溜めて一気に流すためにためておく部分を「タンク」、用を足すときに直接座る部分が「便座」です。

    陶器でできていて、基本的に割れたり接続された部分のゴムが劣化しない限り使える部分が、「便器」、「タンク」で、温水洗浄の機能が付いていたり、温かかったりと電化製品としての機能を持つ部分が「便座」です。単に樹脂でできているものがついているだけのこともありますが、温水洗浄等の機能がついた便座はやはり電化製品としての性質が色濃く、20年使用可能なことは稀です。

    この「電化製品としての部分」というのがなかなか曲者で、水を流す機能と便座の部分が一体化したトイレがあり「タンクレス」、「一体型」という名称で呼ばれています。細かく言えば一体型は目立たないだけでタンクはありますが、機能部としてメーカー以外基本分解が出来ない為ここではあえて区別していません。

    デザイン性が高く、シンプルな見た目でとても掃除しやすいなどの特徴があったり、(タンクレスの方は)タンク水を溜める時間を待たなくてよい、節水効果が高いなどメリットも多く、特にトイレのスペースを最小限にする必要がある場合などは一択になることもあります。メリットデメリットを比較してご自分に合ったものを選定頂ければいいと思いますが、最も留意してほしいのは、便器(基本的に陶器の部分)と機能部と呼ばれる便座、流水制御、温水洗浄機能が一体の製品は1セットであり、部品の供給期間が終わってしまうと故障時に機能部だけ、便器だけの交換ができません。

    対して旧来からある便座、タンク、便器の3点セットで使用される製品はタンクと便器は基本1セットですが、便座の部分はほぼ互換性があり、価格や機能もかなり幅があるうえ、故障時は特殊なものでない限り便座のみで交換が可能です。DIYで交換する方もおり、ホームセンターで3万円~5万円前後で売られていることもあります。

    ここも重要な部分なんですがそれぞれのトイレは壁からの距離がおおよそ決まっています。(基本的にトイレの床面積が0.6~0.8坪程度の為、洋式便器設置時に座るのに必要なスペースを確保できるように設計されているためです)タンクレス、一体型はコンパクトであるという特性上、そうでないものと比べて奥行が小さいスペースでも設置可能な為、トイレのスペース自体を小さく設計可能な特徴があります。

    古いタイプのトイレからでも「リモデル」と言われるシリーズで別シリーズに変更も可能ですが、もともとの部屋サイズや配管の位置取りによっては壁、床の工事も発生してしまうこともあったり、あらかじめ間取りを最小限にしていた場合は再度タンクレス、一体型を選択することになります。

    決してどちらかにすべきとは思いません。スペース効率を追求するなら一体型やタンクレスにも大きな価値があると思います。

    でも、10年先、20年先には何らかのトラブルが出てくることがあります。

    情報があふれているので、○○のメリット、デメリットと調べればほとんどの情報は出てきます。

    お客様お一人お一人が納得して商品を選べるよう願っています。