※2023年8月時点での情報により整理しています。

    以前の給湯器各種の比較した投稿のアクセス数が比較的良いので、今回は前回書こうかなと思いながら客観的な数値が手に入らなかったので、投稿を見送った部分を一応の事実と経験則から書いてみたいと思います。

    最初に、決して特定の製品やメーカーについての話ではないことを前提として下さい。

    給湯器を前回、電気の熱源としてエコキュート、灯油熱源の石油給湯器、LPガス熱源のガス給湯器を比較対象としました。

    これら給湯器の内、石油給湯器については「設計標準使用期間」が定められています。

    安全に使用できるよう特定の条件下で使用した場合の寿命を示したもので、特に石油給湯器はこの期間が過ぎた場合、所有者に点検を促すことが法定化されています。お客さまのお名前等をメーカーにお知らせし、期間を過ぎれば点検時期であることをお知らせするものです。特定保守製品と呼ばれています。

    ガスは、基準が異なりすべてが特定保守製品ではありませんが、「設計上の標準使用期間」をメーカー側で定め、同様の安全点検を促しています。

    基本的に家庭用であればどちらも10年が標準使用期間と考えてよいようです。

    エコキュートは火災等の危険性が低い為か、あまりメーカーで決められた数字が出てこなかったのですが、東京電力さんやあるメーカーは「一般の給湯器同様」「約10年」といった内容で解説をしていました。

    数字上はどのメーカーもおおよそ10年は問題なく使えるように設計していると考えてよさそうです。

    さて、その先の経験則を含めた故障の確率ですが、最初に結論から言うと

    ガス>エコキュート>石油 が感覚的な寿命です。

    ガスは15~20年、エコキュートが13年~15年、石油が10年~15年といったところでしょうか。

    当社のお客様の中でのことですので、エコキュートはそもそも母数が少ないですが、明らかな経年劣化でが出てしまうのが、部品供給期間終了後が多い為、エコキュートは13年~としました。

    ここで、火を用いるガスと石油給湯器の差異については修理等でお伺いしている関係で以下のような説明が可能と思っています。

    ガスと石油給湯器は部品点数が異なっているんです。ガスの場合、地震時の燃料供給停止機能や、燃料と空気の混合、そもそも燃料自体を吸入する機能などはガスメーターやガスの特性上不要な為、石油給湯器には必ずついている燃料ポンプや空気用のブロアファン、感震装置が付いていません。

    小さな違いと思うかもしれませんが、部品が1点でも故障すればそれで動かなくなってしまいます。

    100回に一度の起動でどの部品も故障してしまうと仮定した場合(もちろん10年は動くんですから極端な数字です)正常に動く確率は各部品ごとで99%、これが部品の数だけ掛け算されていくので、部品が5つだけなら0.99⁵×100≒95.1%正常に動きますが、2倍の10点になれば0.99¹⁰×100≒90.4%この場合10回に1回程度正常に動かない事案が発生します。

    極端な計算ですが、部品が少なくシンプルであることは故障の可能性を下げてくれると思います。

    実は他の住設機器でも、「この機能、便利だけどあったが為に故障したな、、、」みたいに便利な機能を付加した結果故障してしまい、しかも部品供給も終わっていて更新となってしまったといった事例もあったりします。

    今回の③についてはあくまで経験上を前提に根拠付けした内容ですので今回は主観的な内容と割り切ってお読みいただけたら幸いです。

    今までの給湯コストを考えるをまとめると次のようになります。(凡例:1位◎2位〇3位△)

    給湯器イニシャルコストランニングコスト故障リスク
    エコキュート◎※
    石油給湯器〇※
    ガス給湯器
    ※ほぼ同じでしたが、電気料金の基本料を無いものとした場合このようになります。